Nagano Laboratory KPU

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長野研究室の最近の取り組みを紹介します。


分野横断的・学際的なだけに、いろんなテーマを抱えています。
すべてではありませんが、以下に大まかに分類して概説します。
それぞれ相互に関連があり、明確に区分するのは難しいですが、
その分けられない境界領域に、おもしろさも重要性もあります。
むしろ、それに取り組んでいる研究室、というのが適切なのかも知れません。


1. 地域気象と暖冷房利用計画に関する研究


衣替えや空調機器の使用のような生活上の季節現象を生活季節といいます。しかし、学校の制服だと校則を守らなければならなかったり、震災以降とくに強く節電を求める社会的風潮などに影響され、健康や快適性に照らして衣替えや空調機器の使用の時期が必ずしも適切とはいえない場合があります。

気象ニュースでは熱中症注意報や紫外線情報、洗濯情報などが報じられます。同じように頃合いの良い衣替え時期や空調機器の開始・終了時期がわかれば、学校での勉学やオフィスでの作業能率の向上、必要な空調エネルギー量の予測あるいは逆に過剰使用量の削減、ひいては健康・快適性の向上に役立つと期待されます。


過去の研究発表例(ポスター)
21st International Congress of Biometeorology, September 3 - 7, 2017, Durham, UK (2017)




2. 温熱環境評価指標(体感温度)の開発と検証


暑さ寒さの感覚は、気温以外にも、湿度・放射温度(長波放射)・風速・代謝・着衣が関係します。しかしほとんどの場合、体感指標は日射(短波放射)や伝導の影響を考慮しておらず、また均一な熱環境を対象にしていました。

実際には昼間に外に出れば日射を受け、室内で床や椅子に座れば接触面で伝導熱が移動します。また、厳密に言えば身の回りの熱環境はほとんどが不均一です。


このような環境にも対応可能な指標を理論的に構築し、実際の環境に適用してその有効性を検証します。


過去の研究発表例(ポスター)
8th International Conference on Urban Climates, Dublin Ireland (2012)
第50回日本生気象学会大会,京都(2011)




3. 気候景観に関する研究


気候の影響が視対象として表出した景観を気候景観といいます(矢沢,1953)。例えば、冬の季節風から建物を守るために備えられた屋敷林は気候景観の一つと言えるでしょう。屋敷林以外にも、伝統的な建物自身や集落形態には、地域気候の影響を受けたと考えられる独自の特徴を有していることがあります。その建物や集落の気候適応性能を、地域気候の実測と、建物や集落形態の実測を通して、詳らかにしていきます。

また、古くから伝わる生活習慣や風名・地名の中にも、局地気候との関連を見いだすことができます。この場合は文献資料に基づき収集した風名や地名と、地形や古気象データから類推した気候条件との関係性を探っていきます。


すなわち、気候との関連から地域の住まい方や知恵・工夫・技術に迫る研究です。


過去の研究発表例(ポスター)
7th Lux Pacifica, Bangkok Thailand(2013)
21st IFHE (International Federation for Home Economics) World Congress, Lucerne Switzerland(2008)
日本ヒートアイランド学会第1回全国大会,大阪(2006)
第28回人間−生活環境系シンポジウム,名古屋(2004)


4. 環境の総合評価に関する研究


夏に風鈴をつるして涼を得る習慣が日本にはあります。しかし本当に私たちは、風鈴の音を聴いて涼しくなったり、暖色系の明かりによって暖かく感じたりすることがあるのでしょうか?

あるいは、寒いけれど静かな環境と暖かいけれどうるさい環境のどちらがどの程度快適なのでしょうか?


どちらの問いも、音だけ、熱だけを見ていたのではわかりません。このような、環境を音や熱といったように部分ではなく、全体のまとまりとして捉えようという研究です。


過去の研究発表例(ポスター)
The 13th International Conference on Indoor Air Quality and Climate (Indoor Air 2014), Hong Kong(2014)
第34回人間ー生活環境系シンポジウム,新潟(2010)
空気調和・衛生工学会中部支部学術研究発表会,名古屋(2005)
15th Conference on Biometeorology and Aerobiology Joint with the 16th International Congress of Biometeorology, Kansas USA (2002)